【凡例より】
◆これまでの方言(地方名)の文献においては、《種》を表わすのに、正確な《和名(種名)》を知らない
ことから、広く使用される一般的な呼び名(俗名)で記されることが多い。
特に「方言(地方名)」の世界では、生物学上使用される《和名》として、《グループ名》が代用されるこ
とが常である。これが混乱の要因の一つともなっている。
例えば、「トノサマガエル」
「ツチガエル」 「ヌマガエル」等は《種》としてそれぞれ独立しているので
問題はないが、方言(地方名)採集によく使用される「ヒキガエル」には、「ニホンヒキガエル」
「アズマ
ヒキガエル」 「ヤマヒキガエル」
「オオヒキガエル」
「ミヤコヒキガエル」 「ナガレヒキガエル」の
6種類/亜種があります。
「アマガエル」には、「アマガエル」の他に「ハロウェルアマガエル」がいます。「アカガエル」にも
「エゾアカガエル」
「ヤマアカガエル」
「リュウキュウアカガエル」 「ニホンアカガエル」 「タゴガエル」等
、類似種が存在するので、方言(地方名)を記録する折には、《種》を言うのか《類(グループ)》を表す
のかという点に留意しなければなりません。
本シリーズでは、この点を特に重視し、複数の《種》を言う場合には《類》を付けるよう努めました。
〔例〕
トンボ→トンボ類
マツ→マツ類
アリ→アリ類
キノコ→キノコ類
ヤンマ→ヤンマ類
サメ→サメ類
アカトンボ→アカトンボ類
カタツムリ→カタツムリ類
タイ→タイ類
クワガタムシ→クワガタムシ類
ゴキブリ→ゴキブリ類
タニシ→タニシ類
セキレイ→セキレイ類
ムギ→ムギ類
ノミ→ノミ類
サボテン→サボテン類
ミミズ→ミミズ類
カニ→カニ類
アワビ→アワビ類
バッタ→バッタ類
タコ→タコ類
タンポポ→タンポポ類
イワシ→イワシ類
カボチャ→カボチャ類
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マグロ→マグロ類
キツツキ→キツツキ類
コガネムシ→コガネムシ類
ハチ→ハチ類
サクラ→サクラ類
タケ→タケ類
サバ→サバ類
コケ→コケ類
フグ→フグ類
ササ→ササ類
シラミ→シラミ類
サル→サル類
モグラ→モグラ類
ヘビ→ヘビ類
トカゲ→トカゲ類
カエル→カエル類
ホタル→ホタル類
フナ→フナ類
ハエ→ハエ類
カラス→カラス類
ハト→ハト類
ワシ→ワシ類
ネズミ→ネズミ類 など・・・
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◆同じ《種》でありながら、一般には別な名称で呼ばれる生物があります。成長の過程や形態の違い
、性別などにより区別されますが、生物学的にはひとつの《種》で、それらの名称をそのまま別項に
記すと、別種扱いと勘違いされるため、本シリーズでは以下のように記しました。
〔例〕
オタマジャクシ→カエル類(幼)
カラスヘビ→シマヘビ(黒)
アリジゴク→ウスバカゲロウ(幼)
シャクトリムシ→シャクガ類(幼)
ボウフラ→カ類(幼)
マツケムシ→マツカレハ(幼)
ウメケムシ→オビカレハ(幼)
カイコ→カイコガ(幼)
ヤゴ→トンボ類(幼)
クワゴ→カイコガ(野生・幼)
カズノコ→ニシン(卵)
マツカサ→マツ類(実)
オスウシ→ウシ(♂)
メスウマ→ウマ(♀)
コヤギ→ヤギ(幼)
サクランボ→サクラ類(実)
ズイキ→サトイモ(葉柄)
ツバナ→チガヤ(花穂)
シラガタロウ→クスサン(幼)
ギンナン→イチョウ(実)
ウミホオヅキ→エゾバイ類(卵嚢)
イモムシ→スズメガ類(幼)
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ケムシ→ガ類(幼)
ムギワラトンボ→シオカラトンボ(♀)
ドングリ→カシ類(実)
ドングリ→ナラ類(実)
ドングリ→クヌギ類(実)
ドングリ→シイ類(実)
ドングリ→カシワ(実)
レンコン→ハス(地下茎)
ヨトウムシ→ヨトウガ類(幼)
ネキリムシ→コガネムシ類(幼)
ネキリムシ→ヤガ類(幼)
ウジムシ→ハエ類(幼)
マゴタロウムシ→ヘビトンボ類(幼)
ザザムシ→カワゲラ類(幼)
ザザムシ→トビケラ類(幼)
センチムシ→コウカアブ(幼)
タケノコ→タケ類(芽)
イラムシ→イラガ(幼)
ムカゴ→ヤマノイモ類(肉芽)
ツクシ→スギナ(胞子茎)
フキノトウ→フキ(花芽)
ヒヨコ→ニワトリ(幼) など
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